あけしておめでとう〜2009年に鑑賞した日活ロマンポルノのメモ、あるいは戯れ言


1/1
東映ピンキーバイオレンス女優の、池玲子をはじめとするホルスタイン乳で、あけしておめでとう。新年早々「ま」抜けな画像を貼ってしまうところが、なにやら今年一年をすでに暗示してそうで嫌だが、migimeらしいっちゃmigimeらしいかもなのでよしとしておく。


家から一歩も出ず、『争闘阿修羅街』(1938/大都映画/八代毅)と『ワイルド・パーティー(1970/FOX/ラス・メイヤー)とテレビつけたらやってた『相棒』スペシャル(和泉聖治)観る。阿修羅街はタイトルからハードボイルドかと思ったらコメディだった。澤登翠活弁、張り合う男女がくっつくのはわかっているが、その前にこれでもかと主人公がヒロインの顔を噴水に何度もつっこむギャグを重ねてくるところが凄い。ラスメイヤーのは悶絶どんでん返しですか。キャリー・ネーションズ!昨日を過去だと思わなかったために明日のことが見えなかった。ジル・ドゥルーズ『シネマ2』を読み始めたはいいが何言ってるかさっぱりわからないので三歩すすんで二歩さがる、遅々として進まず。


1/2
シネマヴェーラ渋谷では「官能の帝国ロマンポルノ再入門2」なる特集をやっている。いま劇場のHPを見ながら過去のチラシ群を思い出しているのだが、今回のロマポチラシには過去のデザインになかった「洗練」を感じる。だから「猥雑」ではないかと言えば決してそんなこともなく、最低限に抑えられた配色や分身する風祭ゆき等の配置は”静謐なサイケデリック”とでも言いたくなるものを喚起させ、同時に武智鉄二が描くけばけばしい悪夢のようなイメージもあり、もっと言えば祭られたその女神の象徴性、まるで宇宙そのものの秘密を暴いた密教画のようでもある。余談だが『妻たちの性体験 夫の眼の前で、今…』の風祭ゆきの神々しさといったら…、例えば府中の暗闇祭の謂われを想起してみよう、年明け僕たちには片輪になる陶酔が待っている。

いい機会なのでヴェーラの特集上映と並行しながら積ん読状態だったジェネオンのロマポDVDを観る週間にする。


シネマヴェーラで斉藤信幸『スケバンマフィア 恥辱』1980を観る。昔ビデオ観たことあるがほとんど忘れてた。倉吉朝子大好きなんだが(同監督『黒い下着の女』の主演女優(サイコー))、他のスケバン女優がカスすぎる。川辺のさびれたアパートとか船とか坂とか横浜(?)はロケーションがいいですね。冒頭の着替えを遠目から撮るショットとか。ふととした瞬間に突拍子もないアクションを起こす登場人物とか。倉吉朝子ってロマポでは一番の胸キュン女優じゃないの(*1)。秘めた恋心がいいよーいいよー。スケバンマフィアシリーズ(?)の『スケバンマフィア 肉刑<リンチ>』池田敏春)にも主演してるが、こちらも当然胸キュンで、そしてバイオレンス度(ビーバップ度)が出色なのでヴェーラで会う人すべてにおすすめしたい。「偏愛的日活PVベスト10」では3位に入れたけど、最近順位に変動あり、そのうち書き直す。

(*1)胸キュンといえば、そうだ!桃尻娘<ピンク・ヒップ・ガール>』の竹田かほり(と遠山牛のキスシーン)もヤバいす。同映画の亜湖はイライラします。シリーズ三作目のアングラ劇団に入ったときのパフォーマンスとか殺意さえ。ちなみにチンピクでいえば、『ピンクのカーテン』の美保純はヤバす。


DVDで田中登『真夜中の妖精』1973をいまさらながら観た(すみません…)が、はい来た、ノボルスましてやモリオ出演作にハズレなし!とにかく開巻の山科ゆり目線のカメラワーク(♪歌を忘れたカナリヤは〜と歌いながら路地をさまよう)からヤバイす。路地を抜けると廃線跡地で拍手とともに椅子などに座ったオカマたち(影山英俊、浜口竜哉、小見山玉樹、他2名)のお出迎え、これ寺山修司です。カナリヤちゃんの歌ってジンジン来ちゃう。
この映画が『牝猫たちの夜』1972と『マル秘色情めす市場』1974のあいだに作られたことは物凄く興味深い。これ新宿と山科ゆりでやった、こののち色情めす市場まで発展する、そのイメージの原型じゃないの。氷の上に乗った山科ゆりを影山が街中引いて行くタイトルバックもいいなぁ。モリオの超理不尽な逆怨みっぷりは毎度のことで素晴らしすぎるのだが、ぼかぁ、山科ゆりに向けられるモリオのあんなにやさしい眼差しを初めて見ただよ。やべーよ、カナリヤの歌を最後まで歌えるどうのこうのとかじゃなくて、この二人の惹かれ合い方って神域レベル。鳥肌立った。モリオが眼鏡を煤で真っ黒くするところとか、直接的な描写はないがなんとなく『昼下りの情事 変身』を想起させたりで面白いなぁ。鋭い目つきの連鎖もありーの。潤ますみがフラッシュバックを起こす白を基調とした短いイメージショットの重ねもありーの。旧古河邸映画でありーの。でもなんと言ってもこの映画は「ベロベロできないよー」の山科ゆりの叫びに尽きる。ベロベロ…


1/3
テレビつけたら「怒痢威夢魔ッ血09」やってたので最初から最後まで見てしまった。松ちゃん×ウッチャンの組み合わせが目玉となったが、個人的にはホリケン×宮迫が一番好きでした。あれでちゃんと漫才になってるのが凄いなぁ。ホリケンおもしれー。どーでもいいが、去年福岡でホリケンのパラグライダーやったらポッケから携帯が飛び出て海の中に落ちたことある。お笑いについていままで一度も日記で書いたことないと思うけど、実はわたくしブラックマヨネーズが好きだったりするので、初っ端の吉田×天野の「葬式」漫才も面白かった。ちなみに昨年のことだが、M1はオードリーだと思っている。


極私的ジェネオンロマポdvd祭り。第二弾、山本晋也赤塚不二夫のギャグポルノ 気分を出してもう一度』(1979/アイランズコーポレーション制作)を観る。はいまた来た、傑作!
離婚届を出した夫婦(柄本明と小川亜佐美)が翌日婚姻届を提出するまでの一日のビラビラ事を描く。離婚後、柄本は電車が自分の方に突っ込んでくる妄想や空中ブランコから落ちて死ぬ自分を見たり、小川は男と出会うごとにその男とセックスする妄想に取り憑かれる。柄本は日野繭子といたすが3分で果て、インポと罵られ、男としての自信をなくし、小川は浮気相手である赤塚不二夫とのセックスを妄想するもせず、結局二人は元の鞘が一番いいことに気づくというわけ(幸せの黄色いハンカチ)。
赤塚不二夫由利徹たこ八郎のギャグ満載のシーンや、日野繭子×結城マミ×宮井えりなのキャットファイト(えりなの蹴り!)などは誇張なしで抱腹絶倒の面白さ。久保新二が象のハナコフェラチオさせる一種の獣姦、柄本の小腸大腸を手術で引っ張り出し、ここを食い切れば治るとやるヤブ医者由利徹やら、それを今晩のおかずにするというナース結城マミのカニバリズム、中出しした自分のスペルマをストローで吸い出し飲んじゃい妊娠するーとほざく赤塚不二夫となにやらブラックな笑いも。ストロー吸い出しなどはまんこの内部からの視点で撮られているが、このユニークなショットは山城新伍が撮った『女猫』より四年早い。
とにかく赤塚不二夫のセフレ日野と結城がいい。赤塚と無理心中をはかる宮井も最高。赤塚を中心に柄本・小川の夫婦再生を軸にした相関図が面白い。タモリベンガル山本晋也も出演。ギャグは面白グループ(赤塚・タモリ高平哲郎滝大作)。歌は所ジョージ。赤塚が漫画を描いてる紙が原悦子の『ポルノ チャンチャカチャン』のポスターの裏だったりするが、嗚呼昔の女性を思い出す極私的センチメンタリズム。


西村昭五郎『実録ジプシー・ローズ』1974を観る。同じ「実録」ものでも『実録白川和子 裸の履歴書』に比べてぜんぜん面白くないのは何故か。ジプシー・ローズ本人ではなく、その発見者、育ての親、マネージャーである正邦乙彦による男視点の、一本調子な、なにやら鼻につく回想による物語だからではないのか。
亀井文夫『女は下着で作られる』1958にジプシー・ローズ(当時22歳)が出演してるというのでフィルムセンターへ観に行くつもりだったのが、フィルム劣化のため上映中止になってしまって初日に行けばよかった…と少し凹んだ。それはともかく写真を見る限り細身の女性で、どちらかといえばジプシー・ローズ役はひろみ麻耶より二條朱実の方がぽい感じがするが、ただこれがデビューの新スターひろみ麻耶のむっちり加減は初々しい。
最初は「額縁ショー」といわれる枠の中で動かずポーズをとるのをやってたみたいだが、その退屈さに業を煮やしたジプシーは額縁を飛び出し踊り始める(生首にキス。サロメがモチーフか)。ストリップも昔は踊りだけで魅せるものらしかったが、これからは特出しよと若いストリッパーに語らせてるように時代はより過激なものを求めたようだ。額縁、踊り、特出しと来れば、次は『実録元祖マナ板ショー』(1975/藤井克彦)を思い起こしもするし、『蕾の眺め(1986/田中登)なんかではストリップ小屋の支配人・草野大悟がこんなことを言っていたっけ。「この十年をとってみても、ストリップ業界は毎日が戦争だったろ、客を集めるためならさ、あらゆることをやったよ、ただの裸から始まって、入れポン、出しポン、タッチ、花電車、ポラロイド、天狗ショー、こけし、マナ板、ついに本番ショーまできた。本番も客をあげてまでやってみたり、外人も世界中から女を連れてきた、放尿もSMもやった、獣姦ショーもやった、ホモもやったし、これ以上やってないものはない」と。であるから妊娠したストリッパー今陽子に、「ストリップ業界のために舞台で出産ショーをやってくれ!助産婦もつけるよ!」と。
閑話休題。とにかく『実録ジプシー・ローズ』ほとんど唯一の見どころはアル中になったローズが見る幻覚で、怪談ムード満点に湯船からゆっくり顔を現し、這い出てローズを犯す盲目のアンマのメイさん!!!!
つーか、メイさんに一年ぶりに会いたいよー(泣)『横須賀男狩り 少女・悦楽』を一緒に観に行こうよー(号泣)どこかにメイさんに捧げる生け贄はおらんかのぉ…


1/4
ジェネDVD『バックが大好き!』を観る。1981年にっかつ制作配給。監督小原宏裕、脚本伴一彦
朝比奈順子…迫る結婚前にチン拓100人分集めるマニア。のちに55時間耐久セックスのギネスに挑戦。
早川由美…中丸に無理矢理剃毛されたせいで男と寝ようとすると蕁麻疹が出る体に。レズに走る。が、朝比奈の治療法、目には目を的な逆レイプ、剃毛&張形にマーガリンを塗り男のアナルを”オカマになれ!”の叫びとともに犯すことにより治癒、というか今度はそのプレイのマニアに。その毒牙にかかった男たちは中丸、錆堂、影山、他。
岸田麻里…処女でレズビアン。早川につれなくされて、街ゆく男たちに”わたしとセックスしてください”と声かけまくる。吉原といたすのかと思いきや吉原は岸田のあそこでオナニーするだけ。男に幻滅。張形をはじめ野菜やマネキンの手など道具を使ったオナニーをするマニアに。
中丸信…早川の会社の上司。剃毛プレイフェチ。仕返しされる。アナルにバイブぶち込まれる。
錆堂連…オカマのママ(オカマメイクがヤバイ)だが実際はオカマは営業用で女にしか興味ない。が、早川に縛られ、アナルにバイブをぶち込まれる。錆堂連はいいよー。好きな男優。
石田和彦…朝比奈がバーで出会う男。なびかないので意地になる&惹かれる朝比奈。セックス修行をした男で射精は自分の思いのまま。100人目のチン拓はこの男と決めるが、射精させたらとらせてやるとの条件付き。55時間に及ぶセックス対決へ。アナルに指を入れられ前立腺マッサージであえなく昇天。ネット検索しても詳らかでないが、石田和彦とは「やかた和彦」の変名であろう。『色情旅行 香港慕情』アウトローが印象深いが、これより8年後の本作では少しおっさんになったなぁという感じ。
吉原正皓…岸田のまんこでオナニーするおじさん。ホモの役が多いんだが今回はアナル無事。
影山英俊…グラサンナンパ男。声かけた相手が悪かった。アナル開通。
朝比奈のことかと思ったら「バックが大好き」というのは男のアナルのことだったのね。55時間セックス後、言葉も交わさず別れた朝比奈と石田だったが、ラスト飛行場でばったり、実は朝比奈の婚約者の兄貴が石田だと知る。これからもよろしく的挨拶にニヤリ。こういう寝っ転がってワハハ観られる作品もやっぱりロマンポルノなのだ。無理して観なくてもいいけど、観た方がいいには決まってる。


ジェネDVD『レイプショット 百恵の唇』を観る。予備知識なしに観たのだが、アクション要素のある娯楽映画で驚いた。藤井克彦はこんなのも撮っていたのか!脚本は『殺人遊戯』の播磨幸治か。僕の知る限り、この映画は初めてソフト化されたやつ。この手の埋もれた映画群を発掘しDVDリリースした人たちはマジ偉人だといまさらながら思った。寝っ転がってた姿勢を正した。
主演は『マル秘ハネムーン暴行列車』の阿部徳昭(good!)。ワキに高橋明、堀田真三、溝口拳、宇南山宏と男臭い!
シャブ疑惑のある歌手水島美奈子とその事務所社長宇南山を相手取り金をゆすろうと思うトップ屋の阿部だが、水島の誘拐事件が起き、水島を助ける阿部だったが、結局…。
水島の体にはどこにも注射の跡がなく、山口美也子に問うてみるも答えず、水島は宇南山に山口とはどういう関係なのかと問うてみるも答えず、そういう謎めいたところがいい。水島のあそこをめくり、「そろそろ打つところを変えなきゃならんな」と言ったとき、まさかあそこの針刺しショットが出てくるのか?!と動悸がしたが(こういうの弱い)、まあないとないでやっぱ寂しい、うわぁ…って目を覆いながら観たかった。実際こんなとこに注射打つものなのかとネットで調べたら、ほんとにあって(打つ前にたらした薬は麻酔薬だったのか)、その文字を読んだでけでもウギャー…ってなった。水島のおしっこを採取するシーンやラストのオチが秀逸。挿入歌は佐藤三樹夫の「甘い罠」。



『スケバンマフィア 恥辱』1980
監督斉藤信幸,製作細越省吾,原作高山銀之助,脚本高橋正康/斉藤信幸,企画成田尚哉,撮影森勝,音楽甲斐八郎,美術柳生一夫,編集井上治,録音信岡実,スチール井本俊康,助監督児玉高志,照明直井勝正
出演 倉吉朝子,水紀ゆき子,山乃興子,阿部徳昭,小川恵,佐藤昇,明日香和泉,佐々木由起恵,高瀬将嗣,堀礼文,田山涼成,草薙良一,吉原正皓,木島一郎,庄司三郎,井上雅義,島村謙次,市村博(五條博)


『真夜中の妖精』1973
監督田中登,脚本桃井章,企画伊地智啓,撮影畠中照夫,美術川崎軍二,編集辻井正則,録音橋本文雄,スチール浅石靖,助監督鴨田好史,照明土田守保
出演 山科ゆり,風間杜夫,益富信孝,大山節子,潤ますみ,雪丘恵介,堺美紀子,織田俊彦,八代康二,三川裕之,浜口竜哉,小見山玉樹,萩原実次郎,影山英俊


赤塚不二夫のギャグポルノ 気分を出してもう一度』1979/アイランズコーポレーション
監督山本晋也,製作八巻晶彦/高平哲郎,原案赤塚不二夫,脚本高平哲郎/山田勉,企画奥村幸士/成田尚哉,撮影鈴木史郎,音楽坂崎孝之助,主題曲所ジョージ,編集田中治,照明出雲静二,助監督滝田洋二郎,ギャグ面白グループ
出演 柄本明,小川亜佐美,赤塚不二夫,宮井えりな,結城マミ,日野繭子,ベンガル,由比ひろ子,たこ八郎,堺勝朗,坂本明,由利徹,はな太郎,久保新二,タモリ,与那城ライラ,山本晋也


『実録ジプシー・ローズ』1974
監督西村昭五郎,製作樋口弘美,原案正邦乙彦,脚本大原清秀,企画栗林茂,撮影山崎善弘,音楽奥沢散策,美術菊川芳江,編集井上親弥,録音秋山一三
出演 ひろみ麻耶,坂本長利,二條朱実,五條博,森甲律子,真木ひろみ,中平哲仟,島村謙次,織田俊彦,吉野あい,近江大介,高橋明,芝さなえ,加納愛子,朝焼ユキ子,小森道子,加納愛子,北上忠行,庄司三郎,佐藤了一,谷文太,小見山玉樹,宝由加里,宝ひさえ,宝町子,宝美津江,宝千波,東弘美,東秋子,東真澄,東マミ,東美鈴
声の出演 長部日出雄,田中小実昌,武智鉄二,吉行淳之介


『バックが大好き!』1981
プロデューサー林功,企画進藤貴美男,監督小原宏裕,助監督鈴木潤一,脚本伴一彦,撮影水野尾信正,音楽甲斐八郎,美術川船夏夫,照明矢部一男,編集川島章正
出演 朝比奈順子,早川由美,岸田麻里,中丸信,錆堂連,石田和彦,吉原正皓,影山英俊,伊藤哲哉,荻原徹也


『レイプショット 百恵の唇』1979
製作細越省吾,企画進藤貴美男,監督藤井克彦,助監督斎藤信幸,脚本播磨幸治,原作響京介,撮影水野尾信正,音楽高田信,美術林隆,照明矢部一男,編集山田真司,技闘大平忠行
出演 水島美奈子,飛鳥裕子,山口美也子,宇南山宏,堀田真三,阿部徳昭,高橋明,島和廣,田辺治郎,久米歓児,織田俊彦,麿のぼる,松風敏勝,溝口拳,小見山玉樹,佐藤了一,北川レミ,楠本達彦