2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

 イメージフォーラムで観た金井勝『王国』の思い出

以前、同伴したガールに”クロノス王は女にした方がよかったんじゃないか”と切り出したことがある。むささび童子が最後に何を盗み取るかは具体的にしないとしても、もしもそれなら「子宮」であることは間違いないわけで。 むささび童子が鴨の肛門、襞に覆われ…

 極私的memo〜『エル・スール』 『皮ジャン反抗族』 「映画監督・大島渚」 「WE ARE THE PINK SCHOOL!」 「土方巽舞踏映像」 『薔薇の葬列』 『王国』

ユーロスペースでビクトル・エリセの『エル・スール』を観る。まあ冒頭から最後まで全編、また朝も昼も真夜中だってそうなのだが、窓や扉から部屋に差し込む自然光によってのみ極力作られる何とも言えぬ絶妙な色合い、太陽の運行と共に移り変わって行く表情…

 宇能鴻一郎の濡れて馬なみ〜『生贄の女たち』

2月11日、円山町ラブホ街のQビルに行く。3階でビクトル・エリセの『エル・スール』を観るか、4階で山本晋也監督の『生贄の女たち』を観るかで相当迷ったが(ウソ。全然迷ってない)、後者をチョイス。デカマラ外人以外、キャスト・スタッフ共に日活ロマポ…

 長谷部安春『犯す!』を観て

今年シネマヴェーラで『レイプ25時 暴姦』を、昨日ビデオで『犯す!』を見直して、昔に書いた「偏愛的日活PVベスト10」にダメ出ししたくなった。まあいちおう「傾向」と念を押しているので間違いというわけではないんだが、改めて『犯す!』は「女」の映画…

 偏愛的・日活ピンキーバイオレンスBEST10

以前に1970年代の「東映ピンキーバイオレンス」についてやったが、今回はその同時代に狂い咲いたもう一方の雄、「日活ピンキーバイオレンス」の偏愛的ベストをやりたいと思う。大体「東映PV」という定義からして曖昧なものなのだ。言わずもがな勝手に作った…

 疫病流行記

デビュー作の『スケバンマフィア 肉刑<リンチ>』でも度肝を抜かれたが、カメラアングルや動き、構図に対するこだわりはいちいち偏執的で、本作はデビュー作以上の傑作かも知れず、なにより画面に横溢するヒリヒリとした暴力感覚が肌で感じられ、初期の池田…

 <ソイ・ミギ(わたしはミギメよ)>〜『ミツバチのささやき』

昨晩、渋谷のユーロスペースでビクトル・エリセの『ミツバチのささやき』1973を観て以来、アナ・トレント(7歳ぐらい)のことが脳裏からはなれず、彼女はすでに精霊のようなものであり、<ソイ・ミギ>と唱えればいつでも彼女と交信できると信じる、ほど僕は…

 『やくざ観音 情女仁義』を読むための「桜姫東文章」

『スタジオ・ボイス』などという横文字の小洒落た雑誌がこの世にあること御存知か。僕はこの手のスカした雑誌は好かん(*1)。のだが、友人宅の映画本が集められたコーナーを物色していたら、この雑誌が紛れていて、”こんなもの”と小馬鹿にした気分で本棚から…