ロマンポルノ

 現代娼婦濡れ場考

先日オーディトリウムで行われた曽根中生特集で、『続・レスビアンの世界 愛撫』を初めて観たが、濡れ場に関して『実録白川和子 裸の履歴書』を想起させる場面があり、ハッとした。 女実業家(水乃麻希)と主婦(言問季里子)がホテルでレズるシーンで、なん…

 『現代娼婦考 制服の下のうずき』における作劇または心理過程の考察

『現代娼婦考 制服の下のうずき』(1974/曽根中生)は開巻が最も重要な気がする。 このアバンタイトルをどう見るかで、映画の、物語の捉え方がまず最初に大きく変わってくるからだ。 少し説明すると、日活マークの直後に現れるアバンタイトルは、ハイコント…

 藤井克彦監督幻の初期作品『OL日記 牝猫の匂い』 『大江戸性盗伝 女斬り』

五月下旬 藤井克彦監督が自身のデビュー作『OL日記 牝猫の匂い』(1972)を16mmで持っており、それがザ・グリソムギャングで掛かるかも知れないという噂を聞く。 『OL日記 牝猫の匂い』についてはブログ「映画遁世日記」に詳しいので割愛するが、なかなかお…

 蠱惑のにっかつビデオ・タイトル絵の世界

かつて「映画遁世日記」のヂョーさんは、60分ある映画を30分に超短縮した『女教師を剥ぐ』のビデオを観て度肝抜かれた経験があるようである。 かく言うわたくしも『フライトSEX 夜に燃え、夜に濡れ!』(*1)というビデオを観たとき、本来は60分はある映画がや…

 「現代娼婦考」考序説

『現代娼婦考 制服の下のうずき』の原作は「現代娼婦考」という、1973年11月より「土曜漫画」(隔週誌)で連載された、同誌その時期の二大看板漫画の一つで、シナリオを荒木一郎、劇画を向後つぐおが担当している。 連載中に日活ロマンポルノ化が決まった。 …

 ロマポ俳優列伝(仮)〜塚田末人篇

えーと…ですねぇ、ぼかぁ、『レイプ25時/暴姦』(1977年)っていうレイプ映画が大好きなんですが、そのなかに塚田末人っていう役者(上のDVDジャケの青年)が出てくるんですが、この塚田末人、キネ旬の俳優事典にも載ってなく、<日本映画データベース>や…

 ブラームスいまだ鳴りやまず〜『レイプ25時/暴姦』音楽演出考

前にA女史がルイズ・ブルックスが踊るシーンに付いた音楽に辟易し、音を消して観たらとても良いと言っていたのをふと思い出した。確かにそれは無音の方が素晴らしく、素っ頓狂な音楽が映像の邪魔をするというのはあると思う。 またこの逆も然りというのもあ…

 ロマポ脇役俳優は永久不滅〜『花芯の誘い』

小沼勝の『花芯の誘い』(1971年12月18日公開)を観る。 例えば田中登のデビュー作『花弁のしずく』がそうであったという意味で、小沼勝はデビュー作から小沼勝だったんだ!と思わず叫びたくなるどこを切っても小沼なキンタロウアメ的秀作。 因みに脚本の「…

 宇能鴻一郎の濡れて馬なみ〜『生贄の女たち』

2月11日、円山町ラブホ街のQビルに行く。3階でビクトル・エリセの『エル・スール』を観るか、4階で山本晋也監督の『生贄の女たち』を観るかで相当迷ったが(ウソ。全然迷ってない)、後者をチョイス。デカマラ外人以外、キャスト・スタッフ共に日活ロマポ…

 長谷部安春『犯す!』を観て

今年シネマヴェーラで『レイプ25時 暴姦』を、昨日ビデオで『犯す!』を見直して、昔に書いた「偏愛的日活PVベスト10」にダメ出ししたくなった。まあいちおう「傾向」と念を押しているので間違いというわけではないんだが、改めて『犯す!』は「女」の映画…

 偏愛的・日活ピンキーバイオレンスBEST10

以前に1970年代の「東映ピンキーバイオレンス」についてやったが、今回はその同時代に狂い咲いたもう一方の雄、「日活ピンキーバイオレンス」の偏愛的ベストをやりたいと思う。大体「東映PV」という定義からして曖昧なものなのだ。言わずもがな勝手に作った…

 疫病流行記

デビュー作の『スケバンマフィア 肉刑<リンチ>』でも度肝を抜かれたが、カメラアングルや動き、構図に対するこだわりはいちいち偏執的で、本作はデビュー作以上の傑作かも知れず、なにより画面に横溢するヒリヒリとした暴力感覚が肌で感じられ、初期の池田…

 『やくざ観音 情女仁義』を読むための「桜姫東文章」

『スタジオ・ボイス』などという横文字の小洒落た雑誌がこの世にあること御存知か。僕はこの手のスカした雑誌は好かん(*1)。のだが、友人宅の映画本が集められたコーナーを物色していたら、この雑誌が紛れていて、”こんなもの”と小馬鹿にした気分で本棚から…

 置いてけぼりの男〜『実録白川和子 裸の履歴書』 『黒薔薇昇天』

1月14日・シネマヴェーラ渋谷 『実録白川和子 裸の履歴書』、最後の白川和子らの口上だけ観たくて途中入場したら、ちょうど白川和子と織田俊彦がファッキングの真っ最中。白川和子の艶技よりも、そのシーンの森勝のカメラワークにしびれた。だいたいファック…

 ロマポ版・不思議の国のアリス物語〜『女高生偽日記』

1月13日 シネマヴェーラ渋谷にて、「話題性を喚起」するために作られた企画もの、写真家のアラーキーこと荒木経惟が監督した『女高生偽日記』1981を鑑賞。 どうも巷間では「素人の撮った映画だからやっぱりヒドイ」だとか「ただの駄作」だとか酷評の嵐で、そ…

 あけしておめでとう〜2009年に鑑賞した日活ロマンポルノのメモ、あるいは戯れ言

1/1 東映ピンキーバイオレンス女優の、池玲子をはじめとするホルスタイン乳で、あけしておめでとう。新年早々「ま」抜けな画像を貼ってしまうところが、なにやら今年一年をすでに暗示してそうで嫌だが、migimeらしいっちゃmigimeらしいかもなのでよしとして…

 『実録白川和子 裸の履歴書』

1973年の日活ロマポで、監督は曽根中生、脚本は田中陽造、阿部定は自分のチン切り事件を芝居にし自ら出演していたというが、それに想を得たのかどうかは知らないし、まあそれはともかくとして、大学生の白川和子が演劇仲間から輪姦され、その一部始終を撮っ…

 インポになりとうないんや〜!〜『壇の浦夜枕合戦記』

1/9の日記食べたもの。カップラーメン×2(味噌味とカレー味)、アイスバー×3、ドーナツ×4、ポテチ、ココアシガレット。我ながらヒドイ食生活。高校生のときに”カップラーメン食べるとインポになるからやめなさい”と母君に言われて以来、いままでほとんど食べ…

 金色のすすき、世界は光り輝いているか〜『昼下りの情事 変身』備忘録

昨年の『花弁のしずく』のときも同じことを思ったが、幻だと思われた田中登の映画をまさか今年もニュープリントで観られようとは夢にも思わなかった。残るは『好色家族 狐と狸』と『もっと激しくもっとつよく』か、いっそラピュタ阿佐ヶ谷は田中登の全作品を…

「復活 花弁のしずく」なるサイトをキミは知っているか?!

「復活 花弁のしずく」 http://www18.ocn.ne.jp/~kamiya/index.html とにかく見てよー!!!!!と声を大にして言いたい。まだ生まれたてのほやほやだけど、すでにもう物凄く、これからますます怪物になってく要素は十分備えている。まず中川梨絵の題字が超…

長谷部安春『襲う!!』

ベートーベン交響曲第5番に翻弄され犯される女の身悶え それはその実、”運命”なる色棒をあやつる指揮者の戦慄に等しい! 試みに長谷部安春監督の『襲う!!』の”冒頭切り裂き惹句”というか、そんなつもりで惹句もどきを書いてみたのだけど、難しいですね…。 …

一角座大和屋竺特集記念拾物画像

「映画をめぐる怠惰な日常」さんを拝読していたら、そこに『愛欲の罠』のポスターを買ったとあってちょっと羨ましかった。別に便乗日記を書こうというのではなく、元々やろうと思っていたのだが(言えば言うほど言い訳がましい、のでもうやめる)、今夏は一…

丸尾末広『少女椿』実写映画化決定!?

以前アンチ丸尾末広系サイトの管理人をやっていた手前、こちら方面の話しも一応ぶっておかなければならん、というわけのわからぬ強迫観念がいまだに残っているので、今日は丸尾漫画映画化についての独断と偏見の四方山話。 いらん前置きを付けてしまったが、…