現代娼婦濡れ場考

先日オーディトリウムで行われた曽根中生特集で、『続・レスビアンの世界 愛撫』を初めて観たが、濡れ場に関して『実録白川和子 裸の履歴書』を想起させる場面があり、ハッとした。 女実業家(水乃麻希)と主婦(言問季里子)がホテルでレズるシーンで、なん…

 『現代娼婦考 制服の下のうずき』における作劇または心理過程の考察

『現代娼婦考 制服の下のうずき』(1974/曽根中生)は開巻が最も重要な気がする。 このアバンタイトルをどう見るかで、映画の、物語の捉え方がまず最初に大きく変わってくるからだ。 少し説明すると、日活マークの直後に現れるアバンタイトルは、ハイコント…

 ゲゲゲの女房

今日のポレポレのトークゲスト、鈴木卓爾だったらしい。 『痴漢電車 弁天のお尻』を観て以来すっかりファンなので、行けばよかったかなといまにして少し思う。 ★ 鈴木卓爾監督『ゲゲゲの女房』を観ました。 原作も読んでないし、ドラマも観てないので比較で…

 神楽坂恵×荒木経惟『緊縛恋愛』

今日はオーディトリウムに神楽坂恵×荒木経惟『緊縛恋愛』アラキネマ+トークショーを観てきました。下町生まれ花火育ちらしい荒木経惟、アラキネマは花火とのこと、その儚さを語る。 その花火とは若干違うかも知れないけれど、儚さという意味で『女高生偽日…

 藤井克彦監督幻の初期作品『OL日記 牝猫の匂い』 『大江戸性盗伝 女斬り』

五月下旬 藤井克彦監督が自身のデビュー作『OL日記 牝猫の匂い』(1972)を16mmで持っており、それがザ・グリソムギャングで掛かるかも知れないという噂を聞く。 『OL日記 牝猫の匂い』についてはブログ「映画遁世日記」に詳しいので割愛するが、なかなかお…

 シャブってハニー

明日ユーロのシャブロル行きたいが、入場できる気も、起きられる気もしない… 日仏学院のは日本語字幕がついてないと物語追えない… 同時通訳って何…

 蠱惑のにっかつビデオ・タイトル絵の世界

かつて「映画遁世日記」のヂョーさんは、60分ある映画を30分に超短縮した『女教師を剥ぐ』のビデオを観て度肝抜かれた経験があるようである。 かく言うわたくしも『フライトSEX 夜に燃え、夜に濡れ!』(*1)というビデオを観たとき、本来は60分はある映画がや…

 「現代娼婦考」考序説

『現代娼婦考 制服の下のうずき』の原作は「現代娼婦考」という、1973年11月より「土曜漫画」(隔週誌)で連載された、同誌その時期の二大看板漫画の一つで、シナリオを荒木一郎、劇画を向後つぐおが担当している。 連載中に日活ロマンポルノ化が決まった。 …

 爆音映画祭2009〜人のセックスを笑うな!!!!

「エロティシズムとは死にまで至る生の称揚である」という仏蘭西の思想家であり糞便の神の使い古されたフレーズがすぐさま思い出され、思わず西村潔のベストと断言してしまいたくなるそんな誘惑に駆られる映画だ。 開巻してすぐ、トヨタ2000GTのエンジンに火…

 ロマポ俳優列伝(仮)〜塚田末人篇

えーと…ですねぇ、ぼかぁ、『レイプ25時/暴姦』(1977年)っていうレイプ映画が大好きなんですが、そのなかに塚田末人っていう役者(上のDVDジャケの青年)が出てくるんですが、この塚田末人、キネ旬の俳優事典にも載ってなく、<日本映画データベース>や…

 ブラームスいまだ鳴りやまず〜『レイプ25時/暴姦』音楽演出考

前にA女史がルイズ・ブルックスが踊るシーンに付いた音楽に辟易し、音を消して観たらとても良いと言っていたのをふと思い出した。確かにそれは無音の方が素晴らしく、素っ頓狂な音楽が映像の邪魔をするというのはあると思う。 またこの逆も然りというのもあ…

 ずっこけ欽也の映画放談〜『禁じられた乳房』他

いまラピュタ阿佐ヶ谷で開催されている「60年代まぼろしの官能女優たち」も残すところあと二作品となり、内田高子、若松孝二、小川欽也、久保新二、野上正義、香取環という錚々たる顔ぶれのトークショーも、5月2日の香取さんを最後にすべて終わってしまった…

 AQUIRAXの個展のオープニング・パーティーのビンゴ大会でフィーバーするの巻(前フリ)

某月某日 K氏のお誘いで銀座の福原画廊に宇野亜喜良の個展&オープニングパーティーを見に行く。 狭い会場は人で溢れかえっていたが、アキラックス夫人が画廊内に引き入れてくれた。たくさんの人に囲まれ、常に誰かに話しかけられているアキラックスは随分と…

 今夜は久保新二ナイト〜久保チンは天才!!

4月11日、今夜は久保チンナイト。昼間のうちにラピュタにてチケットを取る。それから渋谷へ移動。 (中略) 向井寛『暴行少女日記♀』上映開始。 ここに来て疲れと眠気がマックスマラー(下ネタかよ!)に。上映中、何度も落ちて、ところどころ抜ける。 (中…

 僕たちの失敗(後篇)〜久保新二センズリ回想録

夫である向井寛の『ブルーフィルムの女』にネグリジェリリーフなどもしてる内田高子さんのトークが終わり、観客の盛大な拍手が鳴りやんだとき、司会進行の鈴木義昭氏は”来月トークもありますが、今日の映画にも出てた久保新二さんがいらっしゃってるので、も…

 僕たちの失敗(前篇)〜内田高子トークショー回想録

3月14日、この日はラピュタ阿佐ヶ谷のレイト上映「60年代まぼろしの官能女優たち」の初日で、トークゲストは『淫紋』の主演女優である内田高子さんだった。 前日までは、朝一とは言わないまでもお昼ぐらいにラピュタで夜のチケットを買い、シネマヴェーラで…

 あなたと私の合言葉さようならピンクスクール、ありがとうピンクスクール

3/20、一ヶ月弱という短い開催期間ながらも濃密だったイメフォのピンクスクールの最終日(と言っても坂がしんどくて大して通わなかったが)に、小水一男『ラビットセックス 女子大生集団暴行事件』と福岡芳穂『制服監禁暴行』を観た。 すでにうろ覚えに等し…

 おとう、涅槃で待て〜『歓びの喘ぎ 処女を襲う』

みややと言っても嵐の二宮某のことではなく宮谷一彦のことだが、ちょっと前に某所でパクリ疑惑(?)について話されていたので、まあ漫画と映画を比較することで何か制作意図めいたものでも感じられないかしらんという烏滸がましい思いもあり試しに読んでみ…

 ツレヅレ六十年代幻ノ官能女優達

宮益坂上の「寺子屋桃色活動写真」が先日開校し、ぼやっとしてたら今週末からは羅比遊多阿佐ヶ谷において「六十年代幻ノ官能女優達」が始まるんではないか! おそらく秀作ばかりを集めたのだとすぐに了解できる宮益坂上の寺子屋みたいな上映一覧も桃色活動写…

 ロマポ脇役俳優は永久不滅〜『花芯の誘い』

小沼勝の『花芯の誘い』(1971年12月18日公開)を観る。 例えば田中登のデビュー作『花弁のしずく』がそうであったという意味で、小沼勝はデビュー作から小沼勝だったんだ!と思わず叫びたくなるどこを切っても小沼なキンタロウアメ的秀作。 因みに脚本の「…

 『痴漢地下鉄』と『特殊三角関係』

なんだかめっきり春の陽気ですが皆様如何お過ごしでしょうか。 暖かくなってくると決まって巷には春の珍事と呼ばれるようなことが起こり、女性は薄着になって肌の露出度が増し、それにともない痴漢のモミベーションも上がる一方です。 というわけで昨日はカ…

 イメージフォーラムで観た金井勝『王国』の思い出

以前、同伴したガールに”クロノス王は女にした方がよかったんじゃないか”と切り出したことがある。むささび童子が最後に何を盗み取るかは具体的にしないとしても、もしもそれなら「子宮」であることは間違いないわけで。 むささび童子が鴨の肛門、襞に覆われ…

 極私的memo〜『エル・スール』 『皮ジャン反抗族』 「映画監督・大島渚」 「WE ARE THE PINK SCHOOL!」 「土方巽舞踏映像」 『薔薇の葬列』 『王国』

ユーロスペースでビクトル・エリセの『エル・スール』を観る。まあ冒頭から最後まで全編、また朝も昼も真夜中だってそうなのだが、窓や扉から部屋に差し込む自然光によってのみ極力作られる何とも言えぬ絶妙な色合い、太陽の運行と共に移り変わって行く表情…

 宇能鴻一郎の濡れて馬なみ〜『生贄の女たち』

2月11日、円山町ラブホ街のQビルに行く。3階でビクトル・エリセの『エル・スール』を観るか、4階で山本晋也監督の『生贄の女たち』を観るかで相当迷ったが(ウソ。全然迷ってない)、後者をチョイス。デカマラ外人以外、キャスト・スタッフ共に日活ロマポ…

 長谷部安春『犯す!』を観て

今年シネマヴェーラで『レイプ25時 暴姦』を、昨日ビデオで『犯す!』を見直して、昔に書いた「偏愛的日活PVベスト10」にダメ出ししたくなった。まあいちおう「傾向」と念を押しているので間違いというわけではないんだが、改めて『犯す!』は「女」の映画…

 偏愛的・日活ピンキーバイオレンスBEST10

以前に1970年代の「東映ピンキーバイオレンス」についてやったが、今回はその同時代に狂い咲いたもう一方の雄、「日活ピンキーバイオレンス」の偏愛的ベストをやりたいと思う。大体「東映PV」という定義からして曖昧なものなのだ。言わずもがな勝手に作った…

 疫病流行記

デビュー作の『スケバンマフィア 肉刑<リンチ>』でも度肝を抜かれたが、カメラアングルや動き、構図に対するこだわりはいちいち偏執的で、本作はデビュー作以上の傑作かも知れず、なにより画面に横溢するヒリヒリとした暴力感覚が肌で感じられ、初期の池田…

 <ソイ・ミギ(わたしはミギメよ)>〜『ミツバチのささやき』

昨晩、渋谷のユーロスペースでビクトル・エリセの『ミツバチのささやき』1973を観て以来、アナ・トレント(7歳ぐらい)のことが脳裏からはなれず、彼女はすでに精霊のようなものであり、<ソイ・ミギ>と唱えればいつでも彼女と交信できると信じる、ほど僕は…

 『やくざ観音 情女仁義』を読むための「桜姫東文章」

『スタジオ・ボイス』などという横文字の小洒落た雑誌がこの世にあること御存知か。僕はこの手のスカした雑誌は好かん(*1)。のだが、友人宅の映画本が集められたコーナーを物色していたら、この雑誌が紛れていて、”こんなもの”と小馬鹿にした気分で本棚から…

 南太平洋の秘島に棲息する大巨獣ガッパの生態

なにやら今日(1/27)はフィルムセンターで『大巨獣ガッパ』が掛かっていたらしい。映画ファンのガールに観に行かないかと誘われたが京橋は遠いのでパスした。いまさら僕がガッパについて話すことは別にないのだが、それでも一言、我が国のガッパシーンが過…